カワユイ(^◇^)ムスリム新聞

紙版でしか存在していなかったムスリム新聞を少しずつデータ化します。誤字脱字も当時のままとします。

創刊号_あいさつ

20/7/1992

19/ムハッラム/1413

 

アッサラーム・アライクム

 みなさん、お元気でおすごしでしょうか。私達、圧倒的に少数派である日本人ムスリムの抱えるもっとも大きな悩みは、周囲の日本人の私達に対する無理解や無関心にいかに対処していくかではなく、私達自身がいかにムスリムとしての自覚を高め、日々の霊的糧を得てゆくかではないでしょうか。限られた日本語の書籍、間隔の開いた勉強会、たまの機会にあわただしく暖め合う親睦。もっとムスリムとして生活したい、もっとムスリムとして向上したい、そんな焦燥感にも似た思いを少なからぬムスリムが訴えています。

 預言者(サッラッラーフアライヒワサッラマ)のハディースには、兄弟愛(私達ムスリムはみな兄弟姉妹です)を強調するものがたくさんあります。たとえば「信者たちは一人の人間のようなものである。彼の頭が痛みを訴えればその他の体の部分が高熱や不眠を喚起する」。 ですから私達は互いに連絡を密に取り合い、様子を尋ねあい、必要があれば助けの手を差し延べる準備ができていなくてはなりません。

 兄弟間の連絡を密にする意義はそればかりではありません。「良い付き合いと悪い付き合いをたとえるなら香水売りとかじやのふいごの一吹きのようなものである。香水売りは試しにぬってくれてもあなたが彼からそれを買ったとしても、それはあなたに良い薫りを漂わせる。一方、ふいごの一吹きはあなたの服を焦がすかさもなくば厭な匂いをかがされるだけです。」とあるように、ムスリムとの親睦の中で、私達は自然にムスリムとしての意識を培うことができます。こうした相互の励まし合いは、日本のような非イスラーム国に住む私達には何にもまして必要とされることですが、残念なことに地理的、時間的な障害に阻まれ、思うようにいきません。そこで考えついたのが、新聞の発行です。新聞作りならば、ワープロとコピーがあればあとは少数のやる気とわずかな金銭で可能です。しかも時間的、また地理的なハンディを乗り越えるにはこれ以上ふさわしく、また効果的な手段はないでしょう。アッラーがこの試みに祝福を下さいますように。

 この新聞は「みなさんの」新聞です。みなさんで作って行くものです。気軽に、親しい友人に便りを寄せるような感覚で大いに投稿してください。とりあえず編集責任は私、ハウラが負います。なお、新聞名ですが、芸がないようですが、一目瞭然な「ムスリム新聞」と勝手に命名しました。関西懇話会ではかつて「アッリサーラ(手紙、メッセージ )」という名で機関誌を出していたことがあったそうです。音も意味もすてきなので

、それを継承させていただこうかともったのですが、アラビア語を知らない人間、ムスリムでない人が一目にして何の新聞かがわかったほうがいいだろうと考え、「ムスリム新聞」に決定しました。全国のムスリムのみなさん、また外国に住むみなさん、お便りを待っています。